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続カジュアルの起源 第3話

2017/09/26
          カジュアルの起源 第3話

ケネディはアイビーの始祖、彼から始まったヒッピー文化

帽子と言えば、1960年に大統領選挙に勝ったJ・Fケネディは、翌61年1月の就任式に帽子をかぶらないことにした。これに対して全米の帽子製造協会から強硬な反対が出たため、彼は妥協して、帽子を手に取って式に出るけれども、かぶらないことにした。これはフォーマルな伝統を破って、カジュアルな格好をする彼のプレッピーないしアイビー趣味の世界制覇の功績だった。
ケープッゴットのハイエナスポートのケネディ家の別荘は、サマー「ホワイトハウス」となり、この別荘でボサボサの髪をしてハダシで砂浜を歩いたり、
ヨットに乗るケネディのスタイルは、若くてリベラルな政治家のお手本の様にみなされ、改まったドレスアップをしている紳士のファッションは、どこかで、かたくるしさを崩したスタイルとして世界に浸透していった。
これが刺激となって、60年代のヒッピー文化が全盛期を迎えることになる。
くたびれてほころびの見えるジーンズにTシャツ姿の若者たちは、例えばアイビーリーグ諸大学の学生が、スーツにネクタイ姿でキャンパスに通った風俗をすて、反体制の思想と文化に酔いしれたものだった。映画の「アニマル・ハウス」や「いちご白書」は、前者がダートマス大学・後者がコロンビア大学を舞台にしたものだったが、それぞれ、むせ返るような青春の息吹きを伝えている。
また、あの「ラブストーリー」(ある愛の詩)も、アイビーリーガーたちのファッションを余すところ描いて、日本の若者たちに強く訴えるものを持っていた。

英国の2面性―。自然に親しむカントリーライフと社交生活のロンドン

そういうものの背景には、米国のエリートたちの持っていたWASPの文化が根ずよく生きている。マックスウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波文庫)を読めばわかることだが、清教徒の禁欲は、日常生活の中での快楽の追及を戒めている。スポーツにせよ、お洒落にせよ、抑制の利いた趣味が強調され、紳士の服装と言えば、ピンストライプかチョークストライプのダークスーツ、ネクタイも簡素なレジメンタルストライプ、ペイズリー、ポルカドットと派手な自己主張を抑える好みが、勝っている。
本来、英国の紳士たちは、普段はカントリーライフを中心として過ごし、
社交シーズンになるとロンドンで生活をするというパターンの生活を楽しんでいた。
カントリーにいるときは、ハンティング、フィッシング、ヨット、乗馬、というラフで自然を親しむスタイルの生活を送る。そういう2重生活が、米国のエリートたちにも反映していて、プレッピーとかアイビーリーガーたちは、どちらかというと蛮からな、スタイルを好んでいる。
もちろんいざというときは、ドレスアップして社交界に出入りするお洒落を心得ているけれども、日常は60年代に出来上がったヒッピー文化の要素を色濃く持った生活を送っている。
                     続く…
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